つと入る花屋に秋の明かりかな
たのしげな人影つくる青き月
いわし雲孤独は人を深くせり
静魚
先週、九月のしろかね句会がありました。 気になりつつもご報告が遅くなりました。 好調だった皆様、ゴメンナサイ♪
参加は静魚先生、木綿太さん、分水嶺さん、地平線さん、陶青子さん、酔雲さん、人魚さん、貴名子さん、留以さん、そして桃兎、という十名。 岳人さんからの投句を含め、当季雑詠全七十八句の中から、今回も先生の特選、選、参加者それぞれの特選をご紹介いたします。 (清書順。俳句賞参加予定の方の句は伏せました。)
[河内静魚 特選]※全四句のうち三句(他に岳人さん)
指させば波立ちさうに天の川 木綿太
◎新米の袋をあけるうれしさよ 地平線
コスモスのらしさは風とともに在り 貴名子
[河内静魚 選]※全十句のうち七句(他に岳人さん二句、人魚さん一句)
ひとり旅の夢に風船かづらかな 酔雲
鰯雲小さな記憶連綿と 分水嶺
コスモスに風来て景色みな動く 酔雲
明石町露草とわれ吹かれゐる 留以
目つむればこころの闇を流れ星 木綿太
とうろうの鎌ひと振りに季節逝く 貴名子
群がりてしづかな雨の水引草 地平線
[人魚 特選]
指させば波立ちさうに天の川 木綿太
[木綿太 特選]
秋雲やたのしい別れあるやうに 静魚
[留以 特選]
岳人句
[陶青子 特選]
人魚句
[桃兎 特選]
コスモスに風来て景色みな動く 酔雲
[分水嶺 特選]
コスモスのらしさは風とともにあり 貴名子
[酔雲 特選]
さざ波の揺れつつ揺らす月明かり 貴名子
[地平線 特選]
さざなみのやうに笑ふ子秋桜 木綿太
[貴名子 特選]
今どこにゐるかわからずSeptember 桃兎
「いいねぇ、貴名子さんの句は♪」と、先生。 本当に今回、先生の特選、選、分水嶺さん、酔雲さんの特選、と絶好調♪ コスモスの句は「らしさ」としたことで、ひとつの物としての捉え方ができる、またリズムがよく自然体、と先生はおっしゃっていました。 いいですね、貴名子さん♪
先生の特選の中で特にいい、といわれたのが地平線さんの句。 一茶のようだ、と。 それは見つめた対象物の、そのひとつしか詠んでいないところなのだそうです。 新米が届いたことの嬉しさを素直に詠んでいるのがいい、と♪
平易な表現で、ひとつだけを詠む。 無理な表現はしない。 ものをよく見る。 時の流れの中で心を動かすものだけを詠む。
このところよく口にされる先生の言葉を、ゆっくり噛みしめてみようと思います♪
サロンでの句会はこれが最期。 次回からは気持を新たに、新会場での句会に臨みます。 皆様、よろしくお願いいたします♪