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Channel: 桃兎の部屋
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■KIMA句会[十一月] 立ち上がるフレアスカート冬隣  静魚

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 精神のほつれ目へ摘む野菊かな
 寒波来る浅くひらきし襟ぐりに
 行く秋のふたりで食べるリーフパイ
   
                静魚




一番の冷え込みの朝を迎えて昨日、十一月のKIMA句会がありました。 静魚先生、魚童さん、と今日は男性は2名のみ、あとは人魚さん、毬さん、結女さん、留以さん、夜空さん、真魚子さん、そして桃兎、という9名の参加です♪ 


今月の兼題は「のちの月(後の月、栗名月、豆名月、十三夜、名残の月)」と「野菊」そして「冬近し(冬隣、冬を待つ)」。 太平洋さんからの投句を含め、全70句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は了解いただいたもの以外を伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-深秋:蔦





[河内静魚 特選]※五句。内三句人魚さん!
 ア・カペラの風重なりて冬に入る      毬
 シンプルにいやとこたふる十三夜      真魚子


[河内静魚 選]※全八句。
 今だけは妻の貌して大根干す        毬
 野菊咲く少し希望の匂ひする        人魚
 厚切りのハム焼いてをり冬隣        留以
 倦怠にバターを混ぜて冬を待つ       真魚子
 冬近し五時のチャイムの透きとほる     毬
 冬近しトランプ柄のティーコージー     桃兎
 飛び石のありて踏まれず野菊晴れ      魚童
 居ぬひとを呼んでみる癖十三夜       結女
 


[桃兎 特選]
 倦怠にバターを混ぜて冬を待つ       真魚子


[夜空・留以 特選]
 野菊咲くかたまりごとの物語        桃兎


[毬 特選]
 プラチナの錆色の反射冬近し        真魚子


[真魚子 特選]
 てんてんと高架鉄線十三夜         留以


[結女 特選]
 母の背と猿の背似たり十三夜        留以


[人魚 特選]
 飛び石のありて踏まれず野菊晴れ      魚童


[魚童 特選]
 屈託のなささうに咲く野菊かな       桃兎




いかにも残念なのは、いつもそうですが、人魚さんの句をご紹介できないこと。 先生の特選三、選一は素晴らしい成績♪ さすがの一語に尽きます。 いつかどこかで皆様の目に触れる機会が訪れることを祈って止みません。(人魚さん、まったくご紹介いただけないのは申し訳ない、と先生選の句を掲げることを了解してくださいました♪)


毬さんは今月も絶好調を維持♪ 「ア・カペラの風」という表現、「大根干す」の俳味、「チャイムの透きとほる」から伝わる初冬らしさ、がいい、と先生。 私が選ばせていただいた句にも「五線譜」が描かれ、ピアノの先生という音楽家の感性が光る、今回の毬さんでした♪


久しぶりに出席の真魚子さんも、先生のおっしゃる「天才」の名を欲しいままにしての好成績♪ 同じ大学、同じ学科の先輩として、先生も満足そうです♪ 「倦怠にバターを混ぜて」なんて、いいなぁ、と思いました。





来月の兼題です。 「寒さ(寒し、寒気、寒冷)」「コート(外套)」「ショール(肩掛)」。 来月は12月1日土曜日12:30より、今年最後のKIMA句会となります。 皆様のご参加をお待ちしております♪





 修道士黒き外套着て若き     大塚千舟









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