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■田作り

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先日、桜新町で「室礼とおもてなし:お正月」という会がありました。 おいしい・楽しい・安心安全な食べものとそれに関わるものを提供している「食のぐるり」の高原さんのお誘いで、コーディネーターの中川さんが企画したものです。 室礼を町田先生、私はおもてなしを担当しました。


黒豆、田作り、鯛の昆布〆、蓮根・里芋・さつま芋の素揚げ、今風のなます「いまなます」など、簡単で美味しいおせち料理のいくつかをご紹介しました。


振り返れば過去にこのブログで、田作りは登場したものの、作り方をお伝えしていなかったことに気づき、今ならまだ間に合う、とご紹介することにしました♪ 以下はその際、ご参加くださった皆様にお渡ししたレジュメです。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-田作り





「お正月以外でも食卓に載せたいと思うもののひとつに田作りがあります。 お砂糖は基本的に黒豆と「うす甘」シリーズ以外使わない私ですが、この田作りも例外のひとつ。 少しだけグラニュー糖を使います。 ほんのり甘くて香ばしい、お茶受けにもおつまみにもなるおいしいひと品です。
 
電子レンジにラップを敷き、田作りを広げ、5~6分、そこで一度天地を返すように混ぜ、さらに5~6分。 すると炒ったのと同じように、からりと香ばしくなります。 炒れば時間のかかるこの作業が電子レンジだとあっという間なので、助かります。 なるべく大きな平鍋にグラニュー糖と半量の水を入れて火にかけ、溶けて泡立ってきたら少量のお醤油を加えて火を止めます。 そこに炒った田作りを入れ、さっくり混ぜて飴をからめ、クッキングシートの上に広げて冷まします。 
分量を量って作っていないので、あくまで目安ですが、50gの田作りに、グラニュー糖大さじ2、水大さじ1、お醤油小さじ1弱。 お好みで煎った白胡麻をまぶしてもいいでしょう。

新たな年の豊作を祈って♪ 」





市販の田作りは甘すぎて苦手でも、これなら大丈夫という方も多いはず。 なぜかこの時季にしか店頭に出ない田作り、冷凍保存しておいて、時々取り出しては作っています。


ぜひ手づくりで、おせちに加えてみてはいかがでしょう♪








食のぐるり
http://shokuguru.com/

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■KIMA句会[一月] 細雪男の影のやうに降る  静魚

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 透きとほるやうな笑ひや水仙花
 見えぬのは自分の眼だけ雪の原
 雪といふ雪から同じ空の白
 庭肌の荒れの日数や水仙花
 空の色映してゐたり雪の原
   
                静魚




平成二十五年最初の句会がありました。 参加は静魚先生、人魚さん、毬さん、留以さん、夜空さん、結女さん、真魚子さん、陶青子さん、初めて参加の白帆さん、そして桃兎、の10名です♪ 


兼題は「新年(年新た、年明く、年の始、新玉の年)」「水仙(水仙花)」「雪(小雪、深雪、六花etc., 傍題沢山♪)」。 太平洋さんからの投句を含めた全75句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は了解いただいたもの以外を伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-お正月飾り:お供え





[河内静魚 特選]◎が特選中の一番♪
 べんがらの赤い瓦も雪化粧          白帆
 雪の夜は「魔女のため息」てふお酒      桃兎
 結論を言ふときマスク外しけり        結女
◎人魚句(ご紹介できず、残念!)
 水仙の遠い記憶に祖母がゐる         白帆
 石段を上つて下りて年新た          太平洋


[河内静魚 選]※全十四句。内一句人魚さん。
 初雀日だまりの中舞ひ降りぬ         陶青子
 ぱらぱらとめくる一年初暦          毬
 積る雪をんなの肩となりしかな        桃兎
 雪の夜新しき時間降りつもり         陶青子
 マジ顔になれば父似や成人式         結女
 雪明かり祖母の葛籠をあけにけり       留以
 幕末の皿に数の子高く盛る          留以
 自画像を想描くや水仙花           太平洋
 本籍は知らぬ街なり水仙花          結女
 アラジンのストーブ眠くなる眠くなる     結女
 水仙のいつも遠くを見つめをり        桃兎
 去年今年誓ひを半歩前へ置き         人魚
 一筆のずいとのびたる水仙花         真魚子
 


[留以・桃兎 特選]
 これからの微笑み映す初鏡          毬


[人魚 特選]
 結論を言ふときマスク外しけり        結女


[毬 特選]
 人魚句          


[真魚子 特選]
 人魚句


[夜空 特選]
 幕末の皿に数の子高く盛る          留以


[陶青子 特選]
 見えぬのは自分の眼だけ雪の原        静魚


[結女・白帆 特選]
 三段のおせち三話のオムニバス        桃兎




留以さんのご友人で初参加の白帆さんが、いきなり先生の特選二を手中に! 俳句は初めて、とおっしゃっていましたが、にわかには信じがたく♪ ベンガラの赤、雪の白のコントラストが美しい、と先生。 水仙の句とともに高評価です。 これからもどうぞご参加くださいますように♪ 


俳句を通じて共有する純粋で貴重な時間、日常の中の非日常というかけがえのない時間、そうした時間を共に過しつつ互いの句を鑑賞できる楽しみ。 年頭にあたり、また初参加の白帆さんがいらしたことで、先生が話してくださった俳句の楽しさです。 KIMA句会も平成17年1月が第1回目でしたから、今年9年目に入ったことになります。 こうして続けて来られたのも、静魚先生に、この「俳句の楽しみ」を教えていただけたからに他なりません。 先生、改めて、有難うございます♪♪



病気入院中の魚童さんも近々退院できそう、という嬉しいお知らせも♪ 早く元気なお顔を見せてくださいますように♪



さて次回は2月2日土曜日12:30より、となります。 兼題は「春隣(春近し、春まぢか、春遠からじ)」「ホットドリンク」「重ね着(厚着)」。 皆様にまたお会いできるのを楽しみにしております♪





 春隣闇がふくらみ来るなり     柴田白葉女









■しろかね句会[一月]旅人のやうに出窓の冬帽子  静魚

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 さしかける傘の中より雪の音
 冬の鷹消えて大きな風景に
 冬オリオン風の吹くとき遠のきぬ

                静魚




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-冬帽子





今年最初のしろかね句会のご報告です♪ 出席は静魚先生、杜陵さん、木綿太さん、岳人改め走流(はしる)さん、分水嶺さん、酔雲さん、陶青子さん、地平線さん、留以さん、万見さん、そして桃兎。 当季雑詠全七十七句の中から、先生の特選、選、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は了解いただいたもの以外を伏せます。)



[河内静魚 特選]
 本棚のさかしまの本冬三日月         留以
 呼び鈴をさがしつづける冬苺         留以
 鰤起し世阿弥の眉を落としけり        留以
 思ひ出をふるひにかけて梅の花        杜陵
 メニュー閉ぢ春待つ海を見はるかす      木綿太
 大儀なる冬を丸めし炬燵猫          陶青子


[河内静魚 選]※全十句。内二句走流さん。
 春隣うすむらさきの午後にゐて        木綿太
 バジル香のつよきスウプや夕時雨       桃兎
 音楽を奏でるやうに暖炉の火         桃兎
 年酒や昨日のやうな昔事           万見
 犇々と芽吹くこぶしや風立つ日        杜陵
 冬木立たどりアリスの棲む国へ        木綿太
 おほかたは在るもので済む老の春       酔雲
 旅始ジェットの翼おごそかに         桃兎
  



[杜陵 特選]
 春隣うすむらさきの午後にゐて        木綿太


[木綿太・留以 特選]
 凍道を老ペンギンとなりすすむ        酔雲


[分水嶺 特選]
 一瞬の息とぢこめし氷柱かな         留以


[万見 特選]
 呼び鈴をさがしつづける冬苺         留以


[走流・桃兎 特選]
 旅人のやうに出窓の冬帽子          静魚


[陶青子 特選]
 年酒や昨日のやうな昔事           万見


[酔雲 特選]
 窓開けてやはらかき咳ふたつ三つ       木綿太


[地平線 特選]
 雪原に溢るる光群雀             陶青子




留以さん、先生の特選三と分水嶺さん、万見さんの特選を獲得! 素晴らしいです♪ 天才の名を欲しいままの留以さん♪ 留以さんの世界は生まれ育った故郷の記憶と都会の感性、知性から生み出される独自のもの。 誰にも真似のできないクールな世界、というのでしょうか。 先生、大絶賛です♪ 


杜稜さんも先生の特選一、選一、と絶好調♪ 「思ひ出をふるひにかけて」は季語がぴったり、と先生。 杜稜さん、流石ですね♪  


木綿太さんはいつも安心感に包まれた穏やかな句を披露してくださいます。 ここには出ていませんが、お孫さんを詠まれた句も多く、充実の人生を感じます。 豊かだな~、木綿太さん♪


画像はシアトルの帽子屋さん。 クラシックで、素敵なお店です。 たまたま撮った写真ですが、先生の冬帽子の句に合うかな、と添えてみました。 先生の冬帽子の句、好きです♪




裏句会は、東京タワーとスカイツリーを眺められる白金台のおしゃれなバー「Gigino」で。 オーナーのご好意で早くから開けていただくことができました。 ソーセージのポトフを持ち込ませていただいて、にぎやかな食卓でした。



しろかね句会、来月も楽しみです♪









■KIMA句会[二月] ソバージュの女ゆつたり重ね着す  静魚

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 重ね着を嫌ふサブリナパンツかな
 つるつるのファッションページ春隣
 ギャルソンの軽き視線や春隣

                静魚




あっという間に一月が過ぎ、暖かい、春のような一日、KIMA句会がありました。 参加は静魚先生、人魚さん、毬さん、留以さん、静夜さん、夜空さん、結女さん、太平洋さん、陶青子さん、万見さん、白帆さん、そして桃兎、の12名です♪ 


今回は嬉しいことがありましたので、まずそれから♪

尾崎人魚さんに続いて、滝本結女さんが初句集「松山ミクロン」を出版されました。 KIMA句会の仲間がまたひとり、俳壇デビューです♪ いつもバッグに入れておける文庫サイズの句集は、そのサイズとは思えないずっしりとした存在感で、読む人を引き込みます。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-松山ミクロン





帯に、先生の序の抜き書き「結女俳句は、自由、多彩、多角的だ。 ロマンがありリアルでもある。 なによりも新しい。 革新的な松山の血が色濃く駆けめぐっている証左だ。 伝統を血と肉にして詩心を未知の明日に積み重ねる。」と、あります。 この素晴らしい序のとおりの句集、沢山の方にご覧いただきたいと思います♪ (お問い合わせはinfo@japanesestyle.jpまで。)



さて、句会のご報告です。 兼題は「春隣(春近し、春まぢか、春遠からじ)」「ホットドリンク」「重ね着(厚着)」。 ひとり七句持ち寄りの全84句の中から、先生の選、特選と、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)



[河内静魚 特選]※全五句。内一句人魚さん。◎が特選中の一番♪
 朝焼けにラム酒垂らしてホットミルク     静夜
 雪までも白くにごるや安吾の忌        太平洋
 春近し鼓打つ指ほてるまま          夜空
◎ゆふべのゆきうつすらとありまたねむる    結女


[河内静魚 選]※全十九句。内句人魚さん。
 黒七味もうひと振りの雪催ひ         毬
 孫の手も入る処なき厚着かな         太平洋
 蜂蜜を指ですくつて春隣           万見
 着ぶくれて国宝那智の瀧図見る        留以
 コーヒーのおかわりいかが春隣        万見
 単線の厚着の男高鼾             白帆
 五能線ホットドリンクを持つ人と       太平洋
 コーヒーを淹るる音して春隣         静夜
 ブルマンを少し濃いめに春隣         太平洋
 音もなく風紋動く春隣            陶青子
 厚着して異国の街に紛れをり         桃兎
 古き書の行間に居る霜夜かな         陶青子
 春隣夜具よりすこし出でし肌         桃兎
 薮椿人をむかへる素振りなり         留以
 科白なき群像劇や冬かもめ          桃兎
 鴨撃ちの時を貫く罪ありや          万見
 告白のやうに降りたる夜半の雪        毬
 


[万見 特選]
 仁王立ち厚着の祖父はセピア色        白帆


[夜空 特選]
 コーヒーのおかわりいかが春隣        万見 


[白帆 特選]
 退屈が山と積もれり春隣           陶青子          


[留以 特選]
 人魚句


[静夜 特選]
 つるつるのファッションページ春隣      静魚


[桃兎 特選]
 絵唐津のかけらにトリュフ春近し       留以


[太平洋 特選]
 無印の海鼠となりて漂へり          陶青子


[人魚 特選]
 口元で組む指先の春隣            万見


[毬 特選]
 人魚句


[結女 特選]
 科白なき群像劇や冬かもめ          桃兎


[陶青子 特選]
 鴨撃ちの時を貫く罪ありや          万見




特選の中でも一番、と先生がおっしゃったのが結女さんの句。 ひらがなだけの柔らかい表現にさらなるやわらかさをもって、あるか無きかの淡い雪を実際に見たかもわからないうちに眠りにおちてゆく、そんな「とき」を詠んでいて素敵な句です。 今、初句集が出たばかりなのに、もう第二句集が待たれるような、印象的な句でした♪


お仕事の合間を縫って来てくださった太平洋さんが絶好調。 先生の特選一、選三という好成績です♪ 安吾の句は重層的で、「雪」を白く濁る、としたところがよい、と先生。 忙しい時間を割いて参加された甲斐がありましたね♪


今回が俳句二回目の白帆さんは、七句中六句が選に入り、内一句特選、万見さんも先生の選に三句、皆さんの特選二句と好調。 夜空さん、静夜さんも高い評価で、大盛り上がりの句会となりました♪




さて次回は3月2日土曜日12:30~。 兼題は「利休忌」「春(陽春、芳春、三春、九春)」「すみれ(菫草、相撲取草、花菫、壷すみれ、菫野、三色菫、パンジー)」。 春さなか、どのような句に出会えるでしょう♪




 女身仏に春剝落のつづきをり     細見綾子








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■俳句「初心の会」二月

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昨年秋、たまたまサロンに居合わせた方達と、俳句の河内静魚先生が意気投合?し、俳句初心者のための会を持とう、ということになりました。




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-黄チューリップ





初回は11月、すでに先生から俳号を受けていた、綺羅里(きらり)さん、透子(とうこ)さん、素賓(すひん)さん、織男(おりお)さんが綺羅里さん宅に集合、先生との五名で始まりました。 私は途中参加で見学させていただきましたが、初めてとは思えない傑作が生まれたようで、和気藹々の楽しい会となっていました♪


回を重ねて四回目、先月から新たに加わった吉野(よしの)さん、音会(おとえ)さんを含む七名に、私も参加させていただき、先週末吉野さん宅での「初心の会・二月」となりました。 KIMA句会、しろかね句会とも、ご報告させていただいていますので、こちらの会もご紹介させていただきます♪


初心の会はまず、先生の講義から始まります。 先生が用意してくださった「俳句考察」を交代で音読し、その後先生が解説してくださるのです。 昨日は前回からの続き「俳句とは何だろう」に引き続き、「三つの基本・定型について・五七五の俳句」に入っていきました。 この講義は30分程。 人前での音読など何十年もしていないので、ちょっと緊張しながら、生真面目に受講します♪


それからお待ちかねの句会。 予め先生から何句か未完成の句をいただいています。 上五、中七、下五、のどれかが抜けていますので、そこに参加者が言葉を入れて句として完成させる、というもの。 これがなかなか難しいのです♪



 春氷ありしところに◯◯◯◯◯

 フランスの◯◯◯◯◯◯◯春帽子

 ◯◯◯◯◯尻の軽さや山笑ふ

 ほつれ毛を◯◯◯◯◯◯◯春の風



◯のところを埋めて一句づつ一人三句を短冊に記し、先生に渡します。 先生はもちろんご自分の短冊も加えてシャッフルし、まず全句が披露されます。 それからもう一度全句が読み上げられるので、参加者は目を瞑って、自分が好きだと思う句が読み上げられた時に手を挙げるのです。 三句まで手を挙げられますが、八名参加全二十四句の中から三句しか選べないので、選ぶのも選ばれるのも大変♪


そして開票(?)。 ひとりが選んだら一点句、二人なら二点句となり、点の入った句が紹介され、「はい、これはどなたの句ですか?」と問われて初めて作者がわかります。 参加者それぞれ自分の得点を重ね、最後に一番得点の多かった人がその日の主役、ということになります♪


今回の主役は20点を獲得した素賓さん。 しつらえ教室でお馴染みの町田先生です。 前回も好調だったらしく、感性が素晴らしい、と静魚先生絶賛♪ あとは吉野さん、透子さんが続くという二月の初心の会でした。


最後になりましたが、今回の四句、それぞれの最高点句をご紹介いたします。


 春氷ありしところに光満つ      吉野

 フランスの砂糖菓子めく春帽子    桃兎

 浮き雲の尻の軽さや山笑ふ      透子 

 ほつれ毛を鹿の子と結ぶ春の風    素賓



いかがでしょう?
俳句初心の会、なかなか楽しいとお思いになりませんか♪









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■しろかね句会[二月]春の闇ローランサンの色すこし  静魚

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 近づくにつれて椿の息づかひ
 ひろげ脱ぐロングコートに夜の匂ひ
 ことのなき鳥の騒がず梅の花
 川にまださびしき色や旅二月
 風景のあたためらるる春来たり

                静魚




しろかね句会二月のご報告です♪ 出席は静魚先生、木綿太さん、走流さん、地平線さん、人魚さん、留以さん、夜空さん、桃兎、そして句会は初めてという佳子さんの体験参加をいただいての九名です。 分水嶺さんからの投句を含めた当季雑詠全六十六句の中から、先生の特選、選、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は了解いただいたもの以外を伏せます。)




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-春のヴェネチア





[河内静魚 特選]※全四句。内二句人魚さん。
 校舎裏なつかしバレンタインの日       走流
 雛ほどのたちばなの実も雛壇に        木綿太


[河内静魚 選]※全十一句。内一句走流さん。
 風荒れて春のかけらはポケットに       分水嶺
 淡雪や爪を切らうか切るまいか        桃兎
 山笑ふ円空仏の隠れ里            夜空
 城跡の輪郭なぞる春の闇           夜空
 幼子の手にさはられし春の闇         留以
 銀の匙掬ふポタージュ春の雪         留以
 如月の毬に仕込みし鈴の音          桃兎
 春の空めくれば青の世界あり         分水嶺
 二杯目のドライマティーニ春の星       留以
 決断を迫られてゐる氷柱かな         走流
  



[地平線 特選]
 風一陣臘梅の香をひらめかす         木綿太


[木綿太 特選]
 幼子の手にさはられし春の闇         留以


[留以 特選]
 をさな子のかがみ見てをりヒヤシンス     木綿太


[桃兎 特選]
 銀の匙ポタージュ掬ひ春の雪         留以


[夜空 特選]
 春寒のバーのグラスの小さき疵        桃兎


[走流 特選]
 川にまださびしき色や旅二月         静魚


[佳子・人魚 特選]
 ピアスする老女ふたりの桜餅         留以




今回は酔雲さん、陶青子さんが旅行、分水嶺さんがご用で投句のみ、杜稜さんがご病気でお休み、としろかね句会男子の欠席が多く、少し寂しい句会でしたが、夜空さん、佳子さんが参加してくださって、華やかになりました♪


風邪をおして出席してくださった静魚先生は七句中六句が選ばれて好調、なんて生意気を云ってはいけませんが、でもローランサンの句、好きです。 闇といっても春のそれには色があり、しかもパステルのやさしい色が見えてくる、なんて素敵♪ 


4月1日付で今治に転勤される走流さんの句が先生の特選に♪  ドラマがある、と先生。 選にも二句選ばれて、他の皆さんの選もあり五句が上がりました。 しばししろかね句会を休まれる走流さん、いい餞を受け取られましたね♪  お許しをいただいて二句、披露させていただきます。




走流さんの壮行会をかねた裏句会は、会場となっている「一路」さんにお願いして、勝浦の味を堪能しました。 〆鯖、栄螺の壷焼イタリア風?、めじや烏賊のお刺身、ねぎま鍋、どれも美味しく大満足♪ 一路さん、有難うございました。


走流さん、お留守は寂しいですが、今治でのご活躍をお祈りしています。 お帰りになったらまた、句会にいらしてくださいね♪







追記
画像はVeniceから届いた葉書。 友人が春のSan giorgio maggioneを描いて送ってくれました♪





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■KIMA句会[三月] 結び目のほどけて紐の春二つ  静魚

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 心にもまん中のあり利休の忌
 利休忌の膝すり合はす春袷
 乱雑に春ありおもちゃ箱の中
 その先にゆかない夢のすみれ草
 揺れやすし春のロケットペンダント

                静魚




弥生三月、春の訪れを実感するにはあまりにも風の強い一日、月例KIMA句会がありました。 出席は静魚先生、結女さん、人魚さん、毬さん、留以さん、静夜さん、夜空さん、陶青子さん、白帆さん、そして桃兎、の11名です♪ 




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-白すみれ





兼題は「利休忌」「春(陽春、芳春、三春、九春)」「すみれ(菫草、相撲取草、花菫、壷すみれ、菫野、三色菫、パンジー)」。 太平洋さんからの投句を含めて全八十六句の中から静魚先生の特選、選と参加の皆様の特選句をご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)



[河内静魚 特選]※全四句。内二句人魚さん。特選中の一番も人魚さんの句♪
 躙り口たたく風あり利休の忌       白帆
 触れてみる男雛の紅き唇に        桃兎


[河内静魚 選]※全十三句。
 やはらかくあることのよしすみれ草    真魚子
 幼子の摘みし菫の母の膝         夜空
 天使像ななめ横向きすみれ草       留以
 白き肌旅百年の伝へ雛          太平洋
 春愁をハートの型で抜きにけリ      結女
 経筒に挿す鉄の花利休の忌        留以
 利休忌やをとこの中に棲むをんな     桃兎
 菜の花のパスタ一皿テラス席       静夜
 丹田に力をこめし利休の忌        夜空
 利休忌や豆腐重たき雨の夜        真魚子
 甲うすき足の男や利休の忌        桃兎
 水の青空の青あり利休の忌        陶青子
 目の覚めて春の嵐の中にをり       静夜       



[陶青子 特選]
 漆喰の肌艶めきて春の蔵         桃兎


[真魚子 特選]
 木像の硝子目玉や利休の忌        夜空 


[毬 特選]
 利休忌やをとこの中に棲むをんな     桃兎          


[白帆 特選]
 春を待つ赤き蕾の勝ち気なり       毬


[静夜 特選]
 丹田に力をこめし利休の忌        夜空


[留以 特選]
 利休忌や豆腐重たき雨の夜        真魚子


[桃兎 特選]
 春の家主気づかぬにほひあり       結女


[夜空 特選]
 甲うすき足の男や利休の忌        桃兎


[結女 特選]
 人魚句


[人魚 特選]
 結び目のほどけて紐の春二つ       静魚




風邪の抜けない先生は体調がお悪いのをおしての出席。 こんなときは句会もどことなしに静かなものとなります。 でも今回はなんといっても結女さんの「松山ミクロン」出版のお祝い会が後に開かれる、ということで「結女のためなら死んでも出るよ。」と先生♪ 


「皆にいい句を詠んでほしいと思うから」と、バッサバッサと袈裟懸け?に、歯に衣着せぬ言葉♪での鑑賞の中、絶賛されたのが人魚さんの特選二句。 利休忌を詠んだ方は「取り合わせの句は近すぎず、離れ過ぎずというのが大切。 この句は取り合わせが予想外で、つかず離れず。 利休をよく理解している。」と。 また、三色すみれの混在している色を平面で捉えているのがいい、とパンジーを詠まれた句を評価。 ブログでご紹介できないのが本当に残念ですが、人魚さんの第二句集がそう先ではないことを祈って、楽しみに待つこととしましょう♪


一文字の違いでいい句となるかそうでないか、ひとつの言葉が入ることですべてをダメにする、など、先生に指摘していただいた尽くは、わかっているつもりがいつの間にかそのようになってしまっている甘さを突いて、私の中に残りました。 反省♪♪




裏句会は結女さんの松山時代からのご友人宮田さんや、初心の会の綺羅里さん、お仕事を終えて駆けつけてくださった太平洋さんが加わって、にぎやかになりました。 先生のお祝いの言葉、皆さんからのひと言づつを聞きながら、八年と少し前、偶然静魚先生と出会って始まったKIMA句会の来し方を振り返っていました。 その時は考えもしなかった、句会の仲間が句集を出す、という、しかもお二人までもが俳人としてのスタートを切ったこと。 またそれに続くであろう仲間との、真に楽しく過せる時間。 生きているといろいろなことがあって、いい時もあれば苦しい時もある、そんな中でこの時間があったからこそ歩いてこられた、という思い。 どうかこの時間だけは守っていくことができますように…♪


改めて、結女さん「松山ミクロン」出版おめでとうございます♪
そしていい句集に出会わせてくださって有難うございます♪


ご病気でお休みの魚童さん、早く快くなって句会に帰っていらしてください♪ 彩河さん、お忙しいと思いますが、いつもお待ちしています♪ よこ糸さんはお仕事でお出でになれなくなりましたが、時々はお顔を見せていただけますか? 快魚さんもユニークな句をお持ちになってください♪ 菊さん、檀さんもたまには遊びにいらしてくださいね。 きっといい時間を過していただけるはずですから♪




一路さんのお料理は、鮑の肝和え、蕗煮、初鰹のたたきサラダ仕立、〆鯖と鮪の握り、野菜の天婦羅、と美味しいもの尽くし。 ご主人から気持、と最後に新若布のお味噌汁を出していただいて、大満足のテーブルでした♪




さて次回は4月6日土曜日13:00~、兼題は「スイートピー」「朝寝」「春の旅」。 場所は青山の留以さん宅、というスペシャル句会です。 楽しみ♪ 




 お洒落して羽広げたるスイートピー    あべ毬







追記
結女さんの「松山ミクロン」、最後のページの著者略歴にあるメールアドレスに誤りがありました。
正しくは下記のとおりです♪
句集をお求めになりたい方も、こちらへどうぞ♪

tak-enpassa@nifty.com









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■俳句「初心の会」三月

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次第に俳句の会としてのかたちのできてきた「初心の会」♪ 春らしい暖かな日曜日、透子さんのご自宅での開催となりました。

まずは課題をご紹介いたします。 皆様も穴埋め、なさってみませんか?


 ◯◯◯◯は無駄な力や春の風

 あたたかや土の匂ひの◯◯◯◯◯

 白々と◯◯◯◯◯◯◯花辛夷

 春の波◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-姫うつぎ '13





出席は静魚先生、綺羅里さん、透子さん、織男さん、吉野さん、音会さん、桃兎の七名。 期待のホープ?須賓さんは、今回残念ながらお家のご用で欠席です。


先生の講義、今月は「句またがり」と「字余り、字足らずの句」について。

 明けぼのやしら魚しろきこと一寸   芭蕉
 一ところより行きどころなき瀑布   対馬康子
 吾が背丈イコール空ツ風の丈     松本翠
 算術の少年しのび泣けり夏      西東三鬼
 量子論一冊秋の山に入る       滝本結女

 咳をしても一人           尾崎放哉
 うしろ姿のしぐれてゆくか      種田山頭火
 はんにちは母半日は海へちるさくら  石寒太
 明日死ぬ妻が明日の炎天嘆くなり   斉藤玄

掲句を例句としての講義です。 先生が朝(といっても午前2時!)作られたというレジュメにしたがい解説してくださいました。 充実のひとときです♪


さて、句会のご報告。 それぞれの最高点句をご紹介いたします。



 拗ねるのは無駄な力や春の風    桃兎

 あたたかや土の匂ひの子を抱く   音会
 あたたかや土の匂ひの無人駅    静魚

 白々と夕闇まとふ花辛夷      綺羅里

 春の波ショパンの旋律のせてゐる  音会
 春の波きらきら光る万華鏡     音会
 春の波漂ふ小舟の肩を押す     透子



今回の最高得点者は音会さん♪ 一句目からリードしてそのまま点を重ね、最後の句では最高点句二句までも手中にして計二十二点を獲得という余裕のトップです。 綺羅里さん、静魚先生が続きました♪




裏句会は透子さん手づくりのおしいお料理の数々に、皆様からの持ち込みも加わり、春色のあふれる食卓になりました♪ 前回の吉野さんの時もそうですが、美味しくて楽しくて、という裏句会も大きな魅力。 準備など大変ですのに毎回快く会場を提供してくださる皆さま、ありがとうございます♪




次回は4月29日(月)、どのような句に出会えるでしょう♪








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■しろかね句会[三月]もの映りさう真つ白の春障子  静魚

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 感情の上へ打ち上げ紙風船
 はいはいは不満の返事春落葉
 パンジーは入口の花出口の花
 朧なり物を食べない人形は
 かなしみは埋むるものか春の砂

                静魚




桜の美しい、何を見ても桜になぞらえてしまう、そんな週末、三月のしろかね句会がありました。 午前中打合せに出掛けた先で撮った桜です♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-桜 '13





出席は静魚先生、杜稜さん、木綿太さん、酔雲さん、分水嶺さん、地平線さん、夜空さん、しろかね句会初参加の森乃小鳥さん、桃兎の九名。 当季雑詠全六十句の中から、先生の特選、選、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。




[河内静魚 特選]
 春宵の青く浮かびし睫毛かな         桃兎
 ひとつづつ指を開けばさくら貝        木綿太
 すこし愛してずつと愛しておぼろ月      木綿太
 「大盃」といふ紅梅に酔ひにけり       分水嶺
 月の赤あやしと思ふ月日貝          木綿太


[河内静魚 選]
 石抛る光の春の眞ん中に           杜陵
 春の日を墨に閉ぢ込め「い」の字から     分水嶺
 花すみれ隣にいつも有る迷ひ         桃兎
 解きかけのままのパズルや月おぼろ      木綿太
 踝(くるぶし)のドロップ形や春の昼     桃兎
 ゆつくりと歩くにしかず木の芽道       酔雲
 春深し山門前の助け杖            夜空
 土恋し津軽じょんがらよされ節        杜陵
 ひとり身に梅の一輪あたたかく        地平線
  



[木綿太 特選]
 春の夢ゆるきふくらみの円柱         桃兎


[地平線 特選]
 春宵の青く浮かびし睫毛かな         桃兎


[分水嶺 特選]
 感情の上へ打ち上げ紙風船          静魚


[小鳥 特選]
 春愁や眼鏡のくもり拭ききれず        杜陵


[夜空 特選]
 春昼の奥に仏蘭西料理店           杜陵


[酔雲 特選]
 隅田川橋ごとに春ありにけり         杜陵


[杜陵 特選]
 かなしみは埋むるものか春の砂        静魚


[桃兎 特選]
 もの映りさう真つ白の春障子         静魚




病癒え、二ヵ月ぶりの杜稜さん。 すこし面やつれなさったようですが、元気なお顔を見せてくださいました♪ 七句全部が選ばれ、内先生の選二、皆さんの特選三、という好成績。 お酒のペースも元通り?、安心しました♪ 私も選ばせていただいた春昼の句。 どちらかに、秘密にしておきたい小さな仏蘭西料理店があるようです。 いいですね、杜稜さん♪


木綿太さんの句にある月日貝。 goo辞書によると「つきひがい【月日貝/海鏡】とは。意味や解説。ツキヒガイ科の二枚貝。海の砂泥底にすむ。貝殻は円形で平たく、殻長約10センチ、表面は滑らかで光沢があり、左殻は赤橙色、右殻は淡黄白色。名はこれを太陽と月に見立てたもの。本州中部以南に分布。」とあります。 築地の市場魚貝類図鑑では「表が夜のごとく赤紫に暗く、裏が白昼のごとく真っ白いということによる。」と昼夜逆になっているのが面白いのですが いずれにしてもイメージをかき立てるこのような美しい名を持つ貝が季語にある、ということを初めて知りました。 それが掲句のようになると、さらに神秘的な響きをもって訴えかけてきます。 この句を含めて先生の特選三句、選一句、木綿太さんさすがです♪ 


特選に選ばれた分水嶺さんの句に詠まれている「大盃」という紅梅。 世田谷の梅の名所羽根木公園で偶然出会ったそうです。 その名の通り大きく、雄蕊も赤い梅。 韻を踏んでいて、「酔ひにけり」が良い、と先生。 素材に出会い、句という形に残す。 その句を思い浮かべれば、その時の温度や色や香りまでも甦ってくる…。 俳句って楽しいですね♪




しろかね句会、来月は27日です。
また素敵な句に出会えますように♪




追記
滝本結女さんの「松山ミクロン」に収録されている句が、「増殖する俳句歳時記」に載りました♪

http://zouhai.com/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20130312&tit=%91%EA%96{%8C%8B%8F%97&tit2=%91%EA%96{%8C%8B%8F%97%82%CC

うれしいですね♪
因に静魚先生の句は下記に♪

http://zouhai.com/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20030916,20050111,20050907,20120313&tit=%89%CD%93%E0%90%C3%8B%9B&tit2=%89%CD%93%E0%90%C3%8B%9B%82%CC










■KIMA句会[四月] 背のあきしドレスのやうなスイートピー  静魚

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 カクテル欲しスイートピーと同色の
 第一ボタン外してゐたり春の旅
 春の旅帰るところのありてこそ
 ホテルといふ自由を愛し大朝寝

                静魚




まさに春の嵐に日本中が包まれてしまった週末、四月のKIMA句会がありました。 出席は静魚先生、人魚さん、毬さん、留以さん、結女さん、夜空さん、太平洋さん、真魚子さん、陶青子さん、万見さん、そして桃兎、の11名。 今回は留以さんのご自宅での開催です。 ギャラリーのよう、というよりギャラリーそのものの本当に贅沢で素敵な空間♪ 嵐など、全く気になりません。 スイートピーが窓辺を飾っていました♪ 




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-スイートピー





兼題は「スイートピー」「朝寝」「春の旅」。 全七十七句の中から静魚先生の特選、選と参加の皆様の特選をご紹介いたします。(俳句賞応募予定の方の句は伏せます。)



[河内静魚 特選]※全六句。
◎花の昼誰にかけても話し中        結女
 春の闇頭のツボを押してみる       毬
 春の旅観自在寺は果ての寺        結女
 春を行くフェリーに旅の重さあり     結女
 アルルの蝶捕らへて放す春の旅      太平洋
 春の月泪こぼさぬやうにゐる       留以


[河内静魚 選]※全十二句。(内一句人魚さん)
 スイートピー闇夜の遠近狂ゐたり     真魚子
 朝寝して錘をつけし十のゆび       桃兎
 ベーコン忌ディフォルメ踊るスヰートピー 太平洋
 五線譜にそつと置きたし春の星      毬
 夢であれ覚めて自壊の春寝かな      万見
 朝寝するサーカス小屋の調教師      留以
 花明かりグラスに残るギムレット     桃兎
 ものうげにやりなおさうと木の芽時    真魚子
 ふくらはぎやはらかき夜のスイートピー  留以
 野火走り古き記憶と交差せり       陶青子
 北窓を開けメレンゲの角立てる      夜空       



[桃兎 特選]
 子規なくて百十一回目の桜        結女


[結女 特選]
 スイートピー闇夜の遠近狂ゐたり     真魚子 


[留以 特選]
 朝寝して錘をつけし十のゆび       桃兎          


[万見・夜空・人魚 特選]
 春の闇出入り自由な鼻の穴        結女


[太平洋 特選]
 葉桜や北へ向きたる露人墓地       結女


[毬 特選]
 人魚句


[真魚子 特選]
 ふくらはぎやはらかき夜のスイートピー  留以


[陶青子 特選]
 海にふるモザイクの雨春の旅       真魚子




結女さんは凄いですねぇ、先生の特選三、皆さんの特選三! 広く、深く、尽きることのない好奇心と感性、沢山の引き出しを持っていらっしゃるんだなー、と思います♪ 「松山ミクロン」の先生の序を思い出しました。 お見せできないのが残念ですが、句会後に真魚子さんの撮られた先生と結女さんのツーショット、師弟のいい雰囲気が出ている、先生の嬉しそうな表情が印象的な写真でした♪ 


留以さんも好調、七句中六句が選ばれて、先生の特選も♪ 「春の月…」の句は、月とそれを見る人のどちらにもかかる「泪こぼさぬやうにゐる」が良く、季語もいい、と先生。 素敵な句ですよね♪




さて、今回は実は皆さんのお気遣いで私の還暦を祝ってくださる会でもありました。 留以さんの心尽くしのお料理や心憎い演出(お玄関に「桃」の置物と「兎」の形のチョコレート♪)、皆さんが持ち寄ってくださった手づくりのお料理やお赤飯、お酒、果物といったご馳走の数々、バースディケーキ、そしてSomething Red?のこんなに素敵なお箸まで♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-クリストフルのお箸





共通の楽しみを持ち、月に一度顔を合わせ、共に時間を過ごせる仲間のいることを感謝せずにはいられません。 俳句を続けていてよかった!と心から思います。 これも静魚先生と出会えたおかげです♪ 暦がひとまわりして、新たな人生が始まるだろうこの節目に、こんなにしていただいて、勿体なくて、嬉しくて、いくら言葉を重ねても感謝の気持を表すことはできません。 でもやはりこの言葉を…。 皆さん、本当に有難うございます♪





さて次回は5月4日土曜日12:30~、兼題はもう夏の季語♪ 「端居(はしい・たんきょ)」「若葉、谷若葉、山若葉、若葉風、窓若葉、若葉寒」「五月、聖五月、五月来る」。 連休の最中ですが、お集りを楽しみにしています♪ 




 五月微風ミルクの膜の舌ざはり    秋元不死男










■Hana-koyomi OPEN♪

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4月12日、「Hana-koyomi」がオープンしました♪ 季節の鉢物、切り花、アレンジメント、花まわりの小物をあつかい、植木や花の相談にのってくれる場所です。 場所は千代田区神田淡路町に同日オープンした「WATERRAS TOWER」のコミュニティゾーン COMMON 1F♪


もと千代田区立淡路小学校、淡路公園を中心にした再開発エリアで、「WATERRAS TOWER」「WATERRAS ANNEX」の二つの建物で構成されています。 アクセスはJRお茶の水駅、千代田線新お茶の水駅、丸ノ内線淡路町駅、都営新宿線小川町駅からそれぞれ徒歩数分という便利な立地。 近くには「やぶそば」(火災で焼失、再開が待たれます。)、蕎麦「神田まつや」、揚げまんじゅう・粟ぜんざいの「竹むら」、洋食の「松榮亭」など古くからの名店が軒を連ねています。


その再開発に携わってきた、日大理工学部助教、日大短期大学部建築・生活デザイン学科准教授で植物系ランドスケーププランナーの山﨑誠子さんが運営する園芸文化発信ショップが「Hana-koyomi」なのです♪ 


「Hana-koyomi」はただのお花屋さんではありません。 「花と緑の相談所」として地元住民の方々と共に緑を増やし、緑に親しみながら、新しいコミュニティのあり方を提案していく、山﨑先生の目指す方向のひとつが形になったもの。 「WATERRAS」の植栽を監修なさった先生、今後の維持管理も行なっていかれます。


そんな山﨑先生とは地球工作所の山下さんのご紹介で知り合いました。 「WATERRAS」のテーマ「和」「輪」「環」のひとつ、和をコンセプトにした花と緑のショップ、ということで「Hana-koyomi」のデザイン・コーディネート・商品セレクトなど諸々、お手伝いさせていただけたことに感謝です♪




店内はこんな感じ♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi店内



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi店内



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-店内鉢物



山野草いろいろ♪
(画像は間に合いませんでしたが、クレマチスや檸檬の木、わすれな草といった鉢物も沢山あります。)

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi山野草



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi山野草



楽しい雑貨たち♪
これは錫の花生け。 水が腐りにくくお花が長持ちしするのだそうです♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi雑貨



可愛らしいひなどりの形の苔盆栽。 苔はアラハシラガゴケといいます♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi雑貨



ZEN風の花生けはアルミ鋳物製で剣山付♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomi雑貨



アレンジメントもいろいろ♪
ご希望に応じて調製もいたします♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント


アレンジメント、ポンポン菊シリーズ♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント



こんなグラスアレンジも♪

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-Hana-koyomiアレンジメント


あとで花器を生かせるアレンジメント、プレゼントにお勧めです。
来月の母の日には、素敵なグラスアレンジが登場します♪




まだ工事途中ですが、旧淡路公園も装いを新たにして6月にデビューします。 花と緑とせせらぎが都市空間に憩いをもたらすことでしょう。


山﨑先生が執筆された園芸の本や、高月美樹さんの「和暦日々是好日」も入手できますし、今後は先生の園芸セミナーや、折々の花としつらえの講座なども予定しています。 どうぞお近くにお越しの際はぜひぜひ「Hana-koyomi」にお立ち寄りください。 先生の、元気でチャーミングな元教え子たちが、スタッフとして皆さまのお越しをお待ちしております♪





Hana-koyomi
OPEN 11:00~20:00
無休 (年末年始を除く)

〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町2-101
ワテラスタワー コモン1F-1
TEL & FAX 03-3525-4120
e-mail hanakoyomi@kg7.so-net.ne.jp
https://www.facebook.com/HanaKoyomi8890



WATERRAS TOWER
http://www.yasuda-re.co.jp/waterras/





■しろかね句会[四月]春日傘卵のやうにひらかるる  静魚

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 たんぽぽの出来事種の飛びしこと
 まつ白なシーツの波に朝寝かな
 春深しあへない日々であるやうに

                静魚




ゴールデンウィークの初日、穏やかであたたかな今日、四月のしろかね句会がありました♪ 行き帰りの道々、たくさんの花に出会いました。 本当に情けないのですが、花の名前を知らなくて、でも心惹かれる花には思わず引き寄せられてしまいます。 と云ってそれが句に詠める、ということでもないのですが…♪




$日本のもの、こと  桃兎の部屋-赤いつつじ





さて、ご報告です♪ 連休だけにご用の方が多く、出席は静魚先生、杜稜さん、酔雲さん、分水嶺さん、夜空さん、桃兎の六名。 少し寂しいように思いましたが、明るく楽しいのはいつもと同じ♪ 遠く今治の走流さんからの投句を含め、当季雑詠全四十九句の中から、先生の特選、選、参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします。




[河内静魚 特選]※全三句、内一句走流さん。
 桃の花母の残せし車椅子            酔雲
◎春光や胸につかへしものひとつ         桃兎


[河内静魚 選]
 花は葉に後ろ姿を見てゐたり          酔雲
 寺若葉御朱印まつ直ぐ押されけり        夜空
 まぶしさを天にとどめて花水木         杜陵
 日照雨(そばえ)して伊予路はもの芽明かりかな 杜陵
 相方を求め続けて桜貝             分水嶺
 余花の雨招き狐を撫ぜていき          夜空
 栖鳳の斑猫うごく暮の春            桃兎
 伊予の温泉(ゆ)の愚直にかへる日永かな    杜陵
 
  



[杜陵 特選]
 蒲公英の絮(わた)の栖(すみか)を訪ねたし  分水嶺


[桃兎 特選]
 春日傘卵のやうにひらかるる          静魚


[夜空 特選]
 栖鳳の斑猫うごく暮の春            桃兎


[分水嶺 特選]
 走流句


[酔雲 特選]
 囀りや悲恋似合はぬをんな達          夜空




夜空さんの「余花の」句は、内子の事を詠まれたのだそうです。 静魚先生はじめ毬の会の面々総勢16名が結女さんのコーディネートで先日、2泊3日の松山旅行にいらしたのです。 訪れた内子座の屋根には招き猫、ならぬ招き狐が乗っているとか。 旅の想い出の句は夜空さんのお得意♪ 残念ながら参加できなかった私ですが、一緒に招き狐を見上げているような気持になりました。 


旅行にいらしたのは他に杜稜さん、酔雲さん、分水嶺さんも。 地平線さんが撮られた写真を皆で楽しく拝見しました。 どれも本当に楽しそうで、いい写真でした♪



今日は初めての季語(ちゃんと勉強していない証拠…)、言葉、難しい漢字がいくつかありました。 「物芽(ものめ、ものの芽とも):広範囲に捉えた植物の芽[春]」「蘖(ひこばえ):切株から萌え出る若芽[春]」「松前渡る:江戸時代、商人たちが津軽海峡を越えて、海産物の豊かな松前藩に渡ったことをいう[初夏]」「日照雨(そばえ):日が照っているのに雨が降っている、という気象状態」「絮(わた)」


なかなか書けません、蘖、なんて! リーディンググラスを持ってしても無理…。 読めません、日照雨(そばえ)、なんて! でもやはり日本語は豊かですね。 俳句にはこうした楽しみもあるんだな~、と思った次第♪



しろかね句会、来月は25日、楽しみです♪










■俳句「初心の会」四月

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ゴールデンウィーク前半を締めくくる29日みどりの日、初心の会がありました。 始まってから半年、プラチナ通りのバー giginoをお借りしての今回です。

まずは課題を♪


 町の上に◯◯◯◯◯◯◯春の山

 ◯◯◯◯◯花頃の雨降りつづく

 鶯の◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

 ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯春の海



$日本のもの、こと  桃兎の部屋-春の花





出席は静魚先生、綺羅里さん、透子さん、織男さん、音会さん、桃兎の六名。 ゴールデンウィークということもあり、須賓さん吉野さんは残念ながら欠席です。


先生の講義、今月は「季語について」。 季節をあらわす言葉、季語について、例句を鑑賞しながらお話は進みます。 「季語というものは、日本の長い伝統のなかから生まれてきた言葉です。 われわれの祖先が長い年月をかけて磨きあげてきた美意識と生活の結晶が、今日の季語となってちりばめられているのです。」また「季語は連想を広げてくれます。 そのため季語はなくてはならないものなのです。」とレジュメにあります。


今回の例句です。


 もう勤めなくてもいいと桜咲く     今瀬剛一
 柿若葉重なりもして透くみどり     富安風生
 太ペンの青の滲みて春隣        宮田正和
 凍星を見つめしばしは生きてみん    若山陶青子

 春満月水子も夢を見る頃ぞ       保坂敏子
 泡立てしクリームに角みどりの日    和田順子
 秋暑し刃物屋で買ふ肉叩き       戸田留以
 クリムトのゴールドのキスバレンタイン 山村竹の子
 加賀てまり飛びたいですか青空に    大塚太平洋

 風吹いて空磨かるる桃の花       井上康明
 餅好きの夫ふつくらと老いにけり    渡辺恭子
 ひかり降るごとく雨来て山桜      茨木和生
 蝶生まれまづ美しきものへ飛ぶ     河内静魚
 ひとりの夜香水の蓋あけしまま     鈴木桃兎
 葉桜や母の歩幅にあはせゆく      樅山木綿太



講義の最後に「季語に頼ることで人生が楽しめる。 生きることが楽しめる。」と先生はおっしゃっていました♪
 


では、句会のご報告を。 それぞれの最高点句をご紹介いたします。


 水面突き花頃の雨降りつづく    透子
 声ひそめ花頃の雨降りつづく    桃兎
 障子越し花頃の雨降りつづく    音会
 夢うつつ花頃の雨降りつづく    織男


 町の上に天守を抱いた春の山    透子


 朝もやの肌にしつとり春の海    織男
 軽々とサーファー乗せて春の海   音会


 鶯の鳴きわたりける山の奥     綺羅里



今回の最高得点者は綺羅里さん♪ 僅差を競う中、最後の鶯の句で突き放しました。 透子さん、音会さんが同点二位という結果です♪



課題の穴埋めも楽しい「初心の会」。 先生に早めに来月の題を頂戴しました。 皆さまもお試しになってみませんか?


母の日の◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
雨降つて◯◯◯◯◯◯◯竹落葉
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯業平忌
諦める◯◯◯◯◯◯◯玉葱切る





次回は5月19日(日)、綺羅里さん宅で。
楽しみです♪









■KIMA句会[五月] 若葉映え全面ガラス張りのカフェ  静魚

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 街五月ブラックペッパーぱらと振り
 音五月グラスの中の角氷
 端居する夜空の端といふところ

                静魚




好天に恵まれた今年のゴールデンウィーク、後半2日目の四日にKIMA句会がありました。 連休中で欠席が多いのでは、と心配していましたが、静魚先生、毬さん、静夜さん、留以さん、結女さん、太平洋さん、真魚子さん、白帆さん、そして桃兎、の9名の出席。 よかった♪ 


今月は兼題に合った画像がないので、先日行った根津神社の月次花御札(つきなみはなみふだ)をご紹介♪ 毎月花の絵がかわります。 いい御札でしょう?

$日本のもの、こと  桃兎の部屋-月次札[つつじ]





「端居(はしい・たんきょ)」「若葉、谷若葉、山若葉、若葉風、窓若葉、若葉寒」「五月、聖五月、五月来る」。 今月の兼題はもう夏です。 全六十四句の中から静魚先生の特選・選と参加の皆様の特選をご紹介いたします。



[河内静魚 特選]◎が特選中の一番♪
 窓若葉影まで透けし孤篷庵        太平洋
 部屋中に風を招いて五月来る       白帆
◎聖五月磨き忘れし銀の匙         桃兎
 降り出しは軽きリズムの若葉雨      毬
 若葉風シナモンジャムをテーブルに    静夜


[河内静魚 選]
 端居して犬なでながら山月記       真魚子
 茉莉花(まつりか)の坂道の先逢ひにゆく 真魚子
 舌をだす嵯峨人形や若葉雨        留以
 ふたりして恋の隙間に端居せり      結女
 五月来る光の粒のふるやうに       真魚子
 かうすいの名をあてられてしまひけり   桃兎
 木漏れ日の光砕ける五月かな       白帆
 脱藩の道で草笛吹きにけり        結女
 青墨の無の字滲むや南風         太平洋
 端居して近くを遠き目でみたり      結女
 青い服のウェストしぼり五月来る     留以       



[桃兎 特選]
 若葉雨物語するやうに降り        白帆


[毬・真魚子 特選]
 葱のまち足袋のまちへとさみだるる    結女 


[留以 特選]
 前屈は背骨を曲げず聖五月        静夜          


[結女 特選]
 若葉寒再会の日の匙くもり        真魚子


[白帆 特選]
 五月来る光の粒のふるやうに       真魚子


[静夜 特選]
 脱藩の道で草笛吹きにけり        結女


[太平洋 特選]
 一葉づつ雨に頷く若葉かな        毬




今回はそれぞれがそれぞれらしい句で、先生の特選・選、皆さんの特選をとられたように思います♪ 片寄ることなく…、と思いましたが、よくよく見ると結女さん、真魚子さんが四句づつ! 好調ですね♪


いつも思うことですが、同じ季語からこんなに様々の捉え方、感じ方がある、と開けたての新鮮さで知るのも句会の楽しさなのではないでしょうか。 一句一句の景を思い浮かべるながら、短冊から清記用紙に転記するとき、清記用紙から自分の句会帳に写しとるときの楽しさ、面白さ。 それがこうして続けてくることができた大きな理由のひとつだと思っています♪




お知らせです♪
静魚先生が句集「夏風」で「第5回文學の森賞準大賞」を受賞されました♪ 句会の仲間8名と贈賞式に出席し、その喜びを分かち合うことができたことを嬉しく思います。 贈賞式には角川春樹、金子兜太、黒田杏子、大串章、その後の「文學の森創立10周年」「月刊『俳句界』通巻200号記念」のパーティには、辻桃子、鍵和田釉子、黛まどかといった著名俳人も多く出席され、様々な結社の方々約500名が出席するという、華やかで盛大な会でした。

翌日先生からの連絡メールにこんな文章があり、ぜひ皆様にもお読みいただきたいと思いましたので、先生のお許しを得、一部ご紹介させていただきます。



きのうはご苦労様でした。
これで私の当面の雑務が終わり、ようやく平凡な日常に戻れるようになりました。
のんびりやっていきたいと思います。
「毬」に限らず、俳句という正しい意味での遊びを皆さんに知って貰いたいというのが、私の長年の願いです。
大切なのは俳句の自由な世界に一時身を置くということです。
そんな仲間をもつことです。
他の結社の人と句会するなども、楽しいこと。
とにかく俳句だけの関係であって、旨い下手のない、上下のない、句を尊重する世界を維持したい。
初心が大切ですね。
人は上下をつけたがるし、ふと比較したくなる。
が、俳句には持ち込みたくない。
これからは、私は、大いに自由に俳句を楽しんでいきます。





このように自由に俳句を楽しもう、という先生に巡り会えたことを幸せに思います♪









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